この記事では実家の書類整理を何から始めたらいいのか、そして上手に進めるためのポイントについて紹介しています。
親が施設に入居したり亡くなったとき、とても重要で欠かすことが出来ないのが書類の整理です。
医療や介護、お金の支払いや相続など、期限に遅れず手続きできるように、手順よく整理をしていきましょう。
私自身も両親の介護や看取りを通じて、実家の書類を整理しておくことが大事であることを身をもって感じました。
この記事が実家の書類整理について考えている方の参考になれば幸いです。
実家の書類整理で始めにやるべきこと3つ!
親が施設に入居したり亡くなったときに、実家の書類整理で始めにやるべき3つを解説します。
必要な書類がどこにあるか探しながら
などを見落とさないようにしましょう。
以上の3点について、それぞれ見ていきます。
実家の書類整理で始めにやるべきこと①:お金の支払いや請求に必要な書類を探す
実家の書類整理で始めにやるべきことの1つ目は、お金の支払いや請求に必要な書類を探すことです。
探しておきたいのは
- 実印
- 預金通帳
- 通帳の印鑑
- キャッシュカード
- クレジットカード
- 証券会社の取引記録(有価証券)
- 毎月(毎年)の支払いの契約書
- 請求書払い(コンビニ払い)の用紙
- 固定資産税や市県民税の通知書
- 生命保険や損害保険の保険証書
- マイナンバーカード(または通知書)
などです。
お金に関する書類を探して確認することで、年金など受け取っている金額や引き落としで払っている金額がわかります。
親が施設に入るなどの場合(生前整理)は、
- 年金などの収入と毎月の支払状況がわかる
- 預金の残高や証券会社の取引残高がわかる
- 親の収入と資産がわかるので介護費用の支払いの計画がたつ
- 請求書払いの用紙があれば通販などの未払いの金額がわかる
- 施設に入居したあとは不要になる支払い先が通帳や契約書でわかる
- 親が入院や手術を受けたときなどに請求できる保険や給付金がわかる
そのためにお金に関係するものを始めに探すようにしましょう。
施設に入居した後にかかるのは施設費用だけでなく、病気になった場合の医療費などもあります。
入居後の費用を不足のないようにやりくりするために、必要な書類を探して整理しておきましょう。
また親が亡くなった場合(遺品整理)は、
- 銀行預金や有価証券など相続財産の金額がわかる
- サービスの解約手続きが必要な支払先がわかる
- 未払いの支払いや借入金の有無と支払先がわかる
- 死亡保険金や給付金などの有無と保険会社がわかる
そのために漏れがないように探して整理しておくことが大切です。
親が施設に入るときなどの生前整理に比べると、亡くなったあとの方がとるべき手続きなどが多くて大変です。
「〇日以内までに」と期限がきまっているものもあるので、無駄なく手続きできるように書類の整理をしましょう。
実家の書類整理で始めにやるべきこと②:医療保険や介護保険などの書類などを探す
実家の書類整理で始めにやるべき2つ目のことは、医療保険や介護保険などの書類を探すことです。
探しておきたいのは
- 国民健康保険または後期高齢者医療の保険証
- 切り替えが住んでいる場合はマイナ保険証
- 介護保険被保険者証
- 身体障害者手帳(障害がある場合)
- 国民年金手帳
- 企業年金に入っていた場合は加入者証
などです。
親が施設に入居する場合(生前整理)は、
- 医療保険の保険証
- 介護保険の被保険者証
- 持っている場合は障害者手帳
などを施設に預けることになるので探しておきましょう。
医療保険の被保険者証(今後は資格確認書)や介護保険の被保険者証は、更新されると役所から新しいものが送られてきます。
実家が空き家になる場合は役所からの書類が確実に届くように、郵便の転送届を出しておきましょう。
※私は役所関係の書類の送付先を、自分の住所にしてもらうように役所に届け出ておきました。
親が亡くなった後の場合(遺品整理)は、
- 医療保険や介護保険などの被保険者証は役所に返す
- 高額医療費の払戻や葬祭費の請求の手続きをする
- 身体障害者手帳を持っていた場合は役所に返す
- 国民年金は受給権を止める手続きをする
- 国民年金の未支給分があれば請求する
- 企業年金の死亡届を提出する必要がある
- 企業年金の未支給分や遺族一時金があれば請求する
などのために早めに整理しておきましょう。
親が亡くなった後は葬儀や火葬などで忙しく、役所関係の手続きまで時間がとれないこともあり得ます。
できれば重要な書類については生前から、保管場所だけでもわかるようにしておきましょう。
実家の書類整理で始めにやるべきこと③:相続の手続きなどに必要なものを探す
実家の書類整理で始めにやるべきこと最後の3つ目は、相続の手続きなどに必要なものを探すことです。
親がなくなった後に役所などの手続き以外に、準確定申告や相続税の申告など税金の関係で必要になる書類があります。
探しておきたいものは
- 医療費の領収書
- 土地や建物の登記簿謄本
- 自動車の車検証(親の名義)
- 遺言書
- エンディングノート
などです。
親が亡くなってから4ヶ月以内に、亡くなった年の所得税の準確定申告をしなければいけません。
亡くなった年に親が一定以上の医療費を支払っていた場合、準確定申告で医療費控除を受けることができるため病院や薬局の領収書を探しましょう。
また、①で探した預金通帳や有価証券などと合わせて、親名義の土地や建物の登記簿謄本、親が所有していた自動車の車検証も相続のときの名義変更や相続税の計算のときに必要になります。
親が遺言書をのこしていた場合は、財産の分割方法や割合などが指定されているかもしれません。
エンディングノートは手続きや申告などに必要なものではありませんが、大切な書類の保管場所や利用していた金融機関などの情報が書かれている可能性もあります。
相続に関する手続きや申告は財産に関わることですし、相続人(兄弟姉妹)の間で揉めないためにも書類整理のときから漏れのないように探しましょう。
実家の書類整理を上手に進めるための5つのポイント
ここからは、実家の書類整理を上手に進めるための5つのポイントを紹介していきます。
実家にある書類には支払いや手続きの期限が決まっているものも多いので、漏れがないかのチェックをしながら進めていきましょう。
実家の書類整理するときには
の5つが上手に進めるためのポイントです。
この5つのポイントについてそれぞれ見ていきましょう。
実家の書類整理を上手に進める5つのポイント①:兄弟姉妹と一緒にやる
実家の書類整理を上手に進めるポイントの1つめは、兄弟姉妹と一緒にやることです。
兄弟姉妹が遠方に住んでいる場合もあれば、近くに住んでいても毎回必ずスケジュールが合わないかもしれません。
ですが
- 人数がいた方が書類整理が捗る
- 複数の人の目でチェックできる
- 後から揉めるのを防ぐことができる
- 必要な書類かどうかの判断がつけやすい
ので、出来るだけ集って作業することをおすすめします。
子供は自分ひとりという方は、自分の家族やパートナーに手伝ってもらうのも良いでしょう。
実家の書類整理を上手に進める5つのポイント②:分類しながら整理する
次に紹介する実家の書類整理を上手に進めるポイントは、分類しながら整理することです。
箱か大きめの袋を用意して「必要」「不要」「保留」などで大まかに分けていくと効率的に整理が進みます。
「保留」のものは、もう一度分類して不要なものは処分しましょう。
また「必要」に分けた書類を
- お金の支払いや請求に関するもの
- 施設や役所などに提出するもの
- 相続の手続きのときなどに必要なもの
というように、さらに分類しておくと使う時に便利です。
私が実家の書類を整理したときは、「必要」と「不要」だけで分けていました。
実際の手続きのときに、「必要」に分類した中から探し直していたのでとても効率が悪かったと思います。
書類整理のときに目的別に分類しておくことをおすすめします。
実家の書類整理を上手に進める5つのポイント③:部屋や場所ごとに整理していく
実家の書類整理を上手に進める3つめのポイントは、部屋や場所ごとに整理していくことです。
実家の片付けではごみとして捨てるものも多く出るので、書類も散乱しがちです。
書類整理をするときには
- 大事な書類がありそうな部屋から始める
- 部屋や場所ごとに書類を整理していく
- 「無いだろう」と決めずにすべて見る
ようにしましょう。
高齢の親が一人で暮らしていた場合、思いもしないところから大事なものが出てくることがよくあります。
仕舞おうと思っていてそのまま置いておいたとか、大事なものなので見えにくいところに入れておこうと考えたのかもしれません。
大事な書類が無さそうに思える場所も、念のためにチェックを欠かさないことをおすすめします。
実家の書類整理を上手に進める5つのポイント④:面倒でも一つずつチェックする
実家の書類整理を上手に進めるポイントの4つめは、面倒でも一つずつチェックすることです。
親が長年住んだ実家にはけっこう多くの書類がたまっています。
高齢になってくると仕舞っておく場所が必ず決まったところにあるとは限らないので一つずつチェックすることが大事です。
私の母は認知症を患い、施設に入居するまでは父と二人で実家に暮らしていました。
父も施設に入ったため実家の書類整理をしましたが、
- 本と本の間から一万円札が数枚入った茶封筒が出てきた
- 玄関のげた箱からお菓子の缶に入った大量の小銭が出てきた
- 洗面所の棚のタオルの間から銀行の通帳が出てきた
など本当に驚くことばかりでした。
実家の書類整理をするときには、どこから何がでてくるかわからない位の気持ちで作業するのが良いと思います。
実家の書類整理を上手に進める5つのポイント⑤:整理したあとの書類は別に保管
実家の書類整理を上手に進めるポイントの最後5つめは、整理したあとの書類は別に保管することです。
整理をしたあとの実家が空き家になる場合は、必要な書類は兄弟姉妹で話し合って誰かが持っておくようにしましょう。
役所の手続きやお金の支払いなどをする人が管理して持っておくのが良いと思います。
書類整理で分類したものを実家に置いておくと
- 空き巣などが入って盗まれる危険がある
- 書類が必要になった都度、取りにいかないといけない
- 空き家になると湿気やカビも発生するので保存状態が良くない
ということがあります。
役所や金融機関の手続きも書類や印鑑がそろっていれば、郵送で済む場合がほとんどです。
実家ではなく手元に置いておいた方が手間が少なく済むでしょう。
また空き家になっている家は空き巣に狙われやすいので、大事な書類、貴重品などは実家に置いておくのはとても危険です。
私の実家も空き巣に入られて物を盗まれる被害がありました。
幸いにも通帳やカード、土地の権利証など大事なものはすべて私の自宅に持ってきてあったので大きな被害にはなりませんでしたが、ちょっとした隙を空き巣は狙ってきます。
実家の整理をして、必要で大事なものに分類した書類は必ず別の場所で保管しましょう。
実家の書類整理のまとめ
実家の書類整理をするときに何から始めるべきかと、上手に進めるためのポイントについて紹介してきました。
実家の書類整理では
- お金、手続き、相続に関するものから分類と整理する
- 兄弟姉妹や家族に手伝ってもらって整理するようにする
- 保管してある場所が一定とは限らないので細かく探していく
- 整理し終えた大事な書類は実家に置かず別にして保管する
ことをお伝えしてきました。
私は実家じまいに4年かかってしまいましたが、書類整理などは妹に手伝ってもらい一緒に作業するようにしました。
二人で書類整理をすることで、どのようなものがあったのかをお互いが把握できます。
またお金の管理や相続の手続きについても、お互いが内容を知っているので揉めることもなく無事にすべての片付けを終えることができました。
実家じまいでは物の片付けも大変ですが、書類整理はお金や財産に関わることなので漏れの無いように手順を決めて取り掛かりましょう。
コメント