この記事では、実家じまいの挨拶のタイミングや近所への手土産、挨拶文などについて解説しています。
スムーズに実家じまいを終えるためにも
- 実家じまいの挨拶に回るタイミング
- 実家じまいの挨拶の際に伝えるべき点
- 直接訪問するか手紙や電話か
- 挨拶のときに手土産は必要か
- 挨拶文の具体例
などのポイントを押さえておきましょう。
私自身も実家じまいを経験しましたが、やはりご近所への挨拶で事情をお伝えすることが大事だと実感した次第です。
この記事が実家じまいをする方の挨拶回りの参考になれば幸いです。
実家じまいの挨拶のタイミングはいつがいい?
実家じまいをすることになったとき、ご近所への挨拶まわりはどのタイミングがいいのかについて見ていきましょう。
実家じまいをすると言っても
- 実家を解体して売却する
- 実家の建物はそのままで売却する
- 実家の処分は決まらないので空き家にしておく
など、その家によって様々だと思います。
私の実家の場合は、父が施設に入居するのに伴い空き家となり、その後父が亡くなったため解体したうえで売却しました。
空き家になったあとに売却するケースでは、
- 実家が空き家になったとき
- その後実家の処分が決まったとき
に挨拶をしておくのがベストだと思います。
それぞれのタイミングについて解説していきます。
実家じまいの挨拶をするタイミング①:実家が空き家になったとき
実家じまいの挨拶をするタイミングの1つめは、実家が空き家となったときです。
親が施設に入居することになったり他界したなど、実家に住まなくなったときに、挨拶にまわっておくと良いでしょう。
最終的に実家を処分するときに、挨拶をすれば十分という考え方もあるでしょう。
もし、その後実家に人が住まないのであれば、一度このタイミングで挨拶をしておくことをおすすめします。
このタイミングで挨拶回りをしておいたほうが良いのは
- 自分の家の近隣に空き家ができることは防犯上の心配や不安がある
- 最終的に空き家の実家がどうなるかわからないと不安である
- ご近所づきあいがあったお宅では親の様子を心配している可能性がある
などの理由があるからです。
空き家になった時点では、すぐに実家の処分方法が決まっていない場合も多いでしょう。
その場合、
- 建物はそのままで売却するのか
- 解体して更地にするのか
- 決まっていない場合はいつ頃決まるのか
など大まかな方向性だけでも伝えておくとご近所の安心や納得が得られます。
また実家が空き家になれば、家の中の粗大ごみや不用品の処分を始めることになるでしょう。
実家の片付けなどで人が出入りしたり、ゴミ出しのために大きな車が入る予定があるなど、あらかじめ伝えとくとクレームなども防げるはずです。
実家じまいの挨拶をするタイミング②:実家を売却することが決まったとき
実家じまいの挨拶をする2つめのタイミングは、実家を売却することが決まったときです。
親が住まなくなった実家を処分する場合、
- 建物と土地を一緒に売却する
- 建物を解体して土地を更地にして売却する
などの方法に分かれます。
実家の土地と建物を一緒に売却することになったときは、正式に売買が決まったあとで近所へ挨拶回りをしておきましょう。
実家を売却したあとのことは、自分たちの手を離れているので次の項の「解体工事が入ることになったタイミング」での挨拶は必要ありません。
近所への挨拶の時には、実家の建物はそのままで売却することについて相手の方に伝えておく方が良いと思います。
売却した後の建物の管理やリフォーム工事、解体工事については、不動産会社や買主の方が対応する部分だからです。
間違えて工事などについてのクレームや問い合わせが入らないように、念のためお伝えしておくのが良いでしょう。
実家じまいの挨拶をするタイミング③:解体工事に入ることが決まったとき
実家じまいの挨拶をするタイミング3つめは、解体工事に入ることが決まったときです。
実家に親が住まなくなり、最終的に建物を解体して土地を売却する場合に、工事の時期が決まったタイミングで挨拶をしておきましょう。
建物の解体には
- 騒音
- 振動
- 土埃
- 作業する人や車両の出入り
などが伴います。
解体工事の期間中に上記のようなことで迷惑がかかることをあらかじめ伝えておきましょう。
また建物を解体して更地にして売却する場合には、正確な土地の面積を確定するために測量をします。
よりベストな挨拶まわりのタイミングとしては、不動産の売買契約をして土地の測量と解体の時期がわかったときがおすすめです。
測量や境界線の確認は測量会社や不動産会社の人が立ち会ってくれ、作業が終わることがほとんどです。
測量と解体の予定がわかったら
- (いつ頃に)測量が入って境界線の確認をお願いすることになる
- 測量後に建物の解体工事に入ることになる
と伝えておくと、よりご近所の理解を得やすいでしょう。
実家じまいの挨拶のタイミングとしては、上述の「①空き家になったとき」よりも、解体が決まったときの方が圧倒的に大事です。
遠方でなかなか行く機会がないなどの場合、他は省略しても解体前(できれば測量前)の挨拶だけはしておきましょう。
実家じまいの挨拶文テンプレート(工事前)
実家じまいの挨拶でご近所をまわるときの参考に、挨拶文の例文を添付しました。
PDFファイルになっていますので、必要に応じて参照ください。
前述のとおり、実家の解体・測量やリフォームする場合は工事前に挨拶まわりをしておきましょう。
ただし、実際には解体工事や測量の会社、リフォームの工事の会社から、近隣のお宅に工事開始についての挨拶があることがほとんどです。
ご近所への挨拶まわりの件を工事の担当の方に確認したうえで、
- 工事の日程や詳細については工事する会社の方から伝えてもらう
- 自分が挨拶まわりをするときには、後日工事の会社から挨拶と説明があることを伝える
という形で済ませてよいでしょう。
ご近所の方に直接お会いして実家じまいの挨拶をするのであれば、挨拶文は省いても構わないと思います。
実家じまいの挨拶のタイミングのまとめ
以上、実家じまいの挨拶のタイミングはいつがよいのかについて見てきました。
私自身、実家じまいを経験して感じましたが、空き家になってからゴミ出しや片付けをして、最終的に実家を処分するまでにはけっこう時間と手間がかかります。
その間、草木が伸びて隣地に入っていたり、台風で屋根の上のアンテナが倒れそうになるなど、様々なアクシデントが起きないとも限りません。
何かアクシデントが起こったときは、影響や被害をうけたお宅に個別に挨拶に行っておくようにしましょう。
実家じまいを最後までスムーズに進めるためにも、挨拶回りでこちらの状況を事前にお伝えしておくことがとても大事です。
実家じまいの挨拶の際に近所や親戚に伝えるべき点は?
前項で実家じまいの挨拶のタイミングとしては、実家が空き家になったとき、売却や解体することが決まったときであることをお伝えしました。
ここからは実家じまいの挨拶で、ご近所や親戚に伝えておくべき点について見ていきます。
ご近所への実家じまいの挨拶で伝えること
まずはご近所に実家じまいの挨拶回りをするときに伝えるべきことです。
ご近所への挨拶回りといってもお付き合いをしてきた度合が違うかもしれません。
親しくお付き合いしてきたお宅は別として、今後の状況を簡単に伝えるようにしましょう。
挨拶で伝えるべき点は
- (親が)お世話になってきたことへのお礼
- 空き家となる理由、状況(施設に入居、転居、入院など)
- 空き家になる期間やその後の見通しをわかる範囲で
- 解体や測量で関係者や車両が出入りすること
- 解体工事に伴って音や振動、埃などが発生する可能性
- 自分の連絡先(何かあった場合の連絡先として)
などです。
とくに、家が今後どのようになるのか、ゴミの搬出や解体などがある場合はおよその時期などを伝えるようにしましょう。
そのために事前に不動産会社や解体工事の業者とも連絡をとり、予定を確認しておくのがよいと思います。
また何かあったときの連絡先として自分の電話番号を伝えておくことも大事です。
私も実家じまいの挨拶のときに自分の電話番号を連絡先として伝えました。
台風のときに実家の裏庭にあった物置が倒れ、ご近所からすぐに電話をいただいたことがあります。
連絡先がわかっていればご近所も安心でしょうし、実家じまいをする身としても状況が把握できるので必ず連絡はとれるようにしておきましょう。
親戚へ実家じまいの挨拶で伝えること
つぎに親戚に実家じまいの挨拶をするときに伝えることについてです。
ご近所の場合と違って荷物の運び出しや解体工事などについて伝える必要はないので、実家を処分することなったことがきちんと伝われば良いのではないでしょうか。
私は実家じまいの挨拶文は親戚には特に出さず、法事などで直接会った時や電話などで伝えるようにしました。
実家じまいをしたことを知らなかった親戚がいた、ということにならないようにお知らせを済ませることが大事だと思います。
親戚への実家じまいの挨拶と一口に言っても、その家や親戚との関係などによって対応の仕方が違ってくるでしょう。
両親が建てたり購入した家と先祖何代かが住んできた家とでは、実家じまいについて知らせる親戚の数にも差があります。
とはいえ、挨拶する親戚を広げていったらキリがないので、両親の兄弟や叔父、叔母など範囲を決めて良いと思います。
私の場合は
- 父が土地を購入し新築で建てた実家だった
- 父は就職のために地元を離れ、親戚はほとんどが地元に居る
という状況でした。
両親が施設に入居する前から親戚には二人の様子を電話などで伝えるときに、実家は処分することになることは話をしてありました。
ひとつだけ心がけたことは実家じまいをする前に、両親の兄弟には二人の思い出の品となるようなものを受け取ってもらえるように準備したことです。
実家じまいの挨拶は直接行くか?電話や手紙にするか?
実家じまいの挨拶のタイミングと伝えるべき内容について見てきました。
では実家じまいの挨拶、直接訪問するべきなのか、それとも電話や手紙で済ませればいいのでしょうか?
実家と自宅が離れている、仕事などで行けない事情があるなど、様々あると思いますが、直接訪問して挨拶に行くのがベストです。
実家じまいをするなかでは、片付けや諸々の手続きで実家方面に行く機会が出てきます。
そういった機会をうまく利用して、ご近所への挨拶を済ませるのが良いと思います。
実家じまいの挨拶は
- 直接お会いして挨拶するのがベスト
- 行って不在の場合は後日電話するか手紙を出す
- 直接行くのが難しければ電話を入れ挨拶状を送る
このようにするのが良いと思います。
事情があって直接挨拶に行けない場合でも、ていねいな電話や挨拶状であれば気持ちが伝わるはずです。
親戚への実家じまいの挨拶は挨拶状があった方がていねいかもしれませんが、今までのお礼をかねて電話で直接伝えるのも良いのではないでしょうか。
実家じまいの挨拶に手土産は必要?どんなものにする?
実家じまいの挨拶のときには、ご近所への感謝の気持ちとして手土産を用意しましょう。
ただし相手の方が負担に思わずに受け取れるように、高価なものではなく手軽なものがいいと思います。
自分が住んでいる地域の名産品、評判のお菓子などが喜ばれるでしょう。
袋詰めされたお菓子などよりは、箱入りで包装されている方が挨拶の品として無難です。
実家が遠く挨拶に行けない場合などは、同じように手軽な品に挨拶状を添えて送りましょう。
実家じまいの挨拶についてのまとめ
この記事では実家じまいの挨拶について、タイミングやポイントについて解説してきました。
実家じまいの挨拶のまとめとしては
- 空き家になったときや解体の前がタイミングとして適している
- 騒音、人や車両の出入りがあって迷惑になるかもしれないことを先に詫びておく
- 実家の処分や工事については時期をわかる範囲で伝えるようにする
- 何かあったときのために自分の連絡先をしらせておく
- 直接1回は挨拶に行くのがベスト、難しければ電話と手紙で挨拶する
- 挨拶のときは手土産を用意する
以上のようになります。
実家じまいの挨拶をおろそかにしてしまうと
- 境界線の確認のときに揉めておさまりにくくなる
- 解体工事のときにクレームが入りやすくなる
- 工事や搬出の車両の出入りを妨げられる
などのトラブルが起こりやすくなることがあります。
実際に実家のある住宅地で解体の挨拶を欠かしたために、「音がうるさいから、うちの前の道路はトラックを通すな。」と言われ、とても対応に苦慮したお宅があった、と聞きました。
事前にひと言の挨拶があれば、無用なトラブルやクレームも防げると思います。
また実家のご近所には長年お世話になってきているので、気持ちよく実家じまいをするためにも丁寧な挨拶を心がげましょう。
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